――――〜1年後〜―――― もう、李斗ってば! あたし、もう30分も待ちぼうけだよ…。 夕方の5時。 時計台の前に立つあたしは、腕を組み膨れっ面。 帽子とサングラスはもちろんの事。 そこには変わらないあたしがいる。 腕を組み、時計をチェック。 さすがに電話をかけようと、携帯電話を取り出した。 「アリス。」 「え……?」 だけど、聞きたかったはずの人の声が背後から聞こえて。 ボタンを押す手が止まった。