女子剣道部員は、男子に比べると少ない。十人ほどだ。その中に千夏もいる。

「よし、整列！！」

「はい！！」

主将の一言で、固まって話をしていた僕たちはサッと素早く一列に並ぶ。正座をし、黙想を済ませた後は体操だ。

「香月の姉と戦うのか〜……。油断できないなぁ〜」

先輩たちがそんなことを話しているのが聞こえ、ドキッとする。今日は練習試合もするんだ。

千夏がこんな風に言われるのは何度目だろう。前までは比べられていて悲しかったけど、今はどこか誇らしい。それはきっと、自分の剣道に自信がついてきたからじゃないかな。

全員で素振りをする。竹刀を大きく振りかぶり、百回素振りをするんだ。

「二十！二十一！二十二！」

竹刀が風を切る音と、僕らの声が武道場に響く。汗がすでに噴き始め、僕は汗を慌てて拭った。

「それじゃあ、十五分間休憩！！」

「はい！！」

素振りが終わり、休憩となる。その後は面をつけての稽古だ。千夏とは何度もやってきたけど、やっぱり少し緊張するな〜……。

そう思いながら、僕は部員たちと話す。その時、近くにいた女子部員の声が耳に入ってきた。