「姿勢を正して、礼!!」
主将の声に、僕たち剣道部員は一斉に頭を下げる。これで今日の練習は終わりだ。
僕は香月千秋(こうづきちあき)。高校一年生で、この剣道部には入ったばかり。小学生の頃から剣道をしているとはいえ、高校になるとレギュラー争いも激しさを増し、練習についていくのも大変だ。
放課後の武道場。次々にみんな防具を片付け、帰る準備をする中で僕は一人道場で素振りをする。汗が噴き出し、頰を伝った。
「お前、帰らねえの?」
そう部員から訊かれるたびに、「もう少し練習してく!」と僕は笑う。これから特訓の時間だから……。
「ごめん!遅くなった!!」
僕と同じく剣道着を着て、竹刀を持ったベリーショートの髪の女子生徒。僕の姉の千夏(ちなつ)だ。
紅い空が影を伸ばす。僕らは向かい合い、笑った。千夏は僕に剣道の特訓をしてくれる。剣道がとても得意で、全国大会で何度も優勝したことがあるくらいなんだ。
主将の声に、僕たち剣道部員は一斉に頭を下げる。これで今日の練習は終わりだ。
僕は香月千秋(こうづきちあき)。高校一年生で、この剣道部には入ったばかり。小学生の頃から剣道をしているとはいえ、高校になるとレギュラー争いも激しさを増し、練習についていくのも大変だ。
放課後の武道場。次々にみんな防具を片付け、帰る準備をする中で僕は一人道場で素振りをする。汗が噴き出し、頰を伝った。
「お前、帰らねえの?」
そう部員から訊かれるたびに、「もう少し練習してく!」と僕は笑う。これから特訓の時間だから……。
「ごめん!遅くなった!!」
僕と同じく剣道着を着て、竹刀を持ったベリーショートの髪の女子生徒。僕の姉の千夏(ちなつ)だ。
紅い空が影を伸ばす。僕らは向かい合い、笑った。千夏は僕に剣道の特訓をしてくれる。剣道がとても得意で、全国大会で何度も優勝したことがあるくらいなんだ。