それを聞いた女の子は真っ赤になってポニーテールの女の子を睨んだ。

「何その尊敬しますって、ふざけないでくれる!!アンタにそんな事言われる筋合いは無いわ!!!」

そう言うと女の子は黒い煙のような物に飲まれた。

ポニーテールの女の子は口角を少しあげ言う。

「"ふざけないでくれる"はこっちのセリフです。まさか貴方私が誰の娘だか忘れましたか？理事長の娘です。本気になればあなた一人くらい簡単に"消す"事も出来るんです。調子に乗るなっ壁如きがっ」

気がつくとポニーテールの女の子には真っ黒なカラスの羽が生えており、目も血のように赤く光っていた。

また黒い煙に飲まれた女の子は長いもじゃもじゃとした毛が生えた犬のような物になっていた。


「なにこれ...?」


目の前の光景に目と脳が追いつかない。



混乱している私を見兼ねたのかエステルちゃんが色々説明してくれた。


「あれが先祖返りの主な能力.......ご先祖様
の妖怪とかの姿になれるの………ポニーテールの彼女は雫目麗華（しずくめ れいか）さん......鴉天狗の先祖返り.........さっきリリちゃんと話していた彼女は尾壁理乃（おかべ りの）さん………ぬりかべの先祖返り
………麗華さんは戦闘テストでいつも上位だから凄く強いの………理乃さん……口答えしなければ良かったのに………」

戦闘テストがあるの!?
あの麗華さんって言う人はその先頭テストの上位!?

私がそんなことを考えていると麗華さんが口を開けた。

「尾壁理乃!!貴方にデュエロを申し込みます。まさか断らないですよね?」


デュエロって何?

私の疑問なんかお構い無しに梨乃さんも口を開ける。

「えぇ、勿論よ!!」

その声を合図にクラスメイトからの歓声が上がり、教室だった部屋は黒く広い空間に変わっていた。

麗華さんは周りを見渡し私を見つけると手招きをする。

「花咲さん来て下さい。ディーラーをやってもらうついでにこの学園のルールを教えますから。」


そう言った麗華さんはニコッと笑顔を見せた。