* * * 休み時間になると珍しく零士が特進科に顔を出した。 「瑠色!!!」 「……どうした?すげぇ顔してるけど」 スマホを握りしめてまるで自分の家のように特進科へと入ってくる。 「聞いてくれよ!!!瑠色!!」 零士の顔面アップは結構キツいんだけど。 鼻息で俺の前髪が揺れる辛さをわかってほしい。 「……お前も顔近い。なに?」 「緊急事態なんだよ!!!!いちかが!!」 いちか、とは零士の彼女。