あからさまのそれをセットして再生する。
開幕からほんの数分、ようやく異変に気づいた日菜。
「……あ、あれ?おかしいな」
遅いでしょ。
もっと早く気づかないかな。
「ちょ……っ、待ってよ 工藤くん!!これDVDの中身間違ってるんじゃない!?」
「間違ってないって」
「いや、だ、だって……ヒィッ!!」
部屋の隅から悲鳴をあげて、恐る恐る俺の隣へと距離を縮めてくる。
「怖い?」
「ま、まさか!だってこんなの作りものだし……っ、ぎゃっ……!!!」
強がってみせるけど、大きな音がする度に俺に近づいてくる。