* * *
日曜日の午後。
俺の部屋の隅で日菜が礼儀正しく正座している。
「どうしたの?お前、いつもと違くない?」
普段の雰囲気と違う日菜に、ストレートにそう言ったら、
「こ、この白いニットワンピね、お姉ちゃんに貸してもらって……でも、ちょっと背伸びしすぎたかな……」
「……」
どうやら彼女は人の話しを聞いてない上に忘れるのも早いらしい。
これ以上可愛くなってどうすんの?
背伸びなんかしなくてもお前は可愛いんだって言わなかったか、俺……。
「変……かな?」
「そういうの、もう着なくていいんじゃない?」
「えぇ!?そ、そんなぁ……」
本気でショックを受けてる日菜に言った俺の方が焦ってるなんてきっと微塵も思ってない。