これにはさすがの俺もびっくりした。

包丁処か、一人で出掛けることさえしてこなかったお嬢様が。

俺の誕生日に一品でも何か作りたいからと………

料理教室に通ってたとは………………。

それって、彼女も将来結婚することを見越してだよな??

嘘って言うか…………

内緒にしたかっただけ。

真相を知れば、可愛い彼女の行動!!

喜んでも、怒ることじゃない。

口が緩む~!

「ごめん、桜!
本当にごめん!!
やっぱり俺が悪かった。
勝手に分からないものにヤキモチ妬いてた。
桜の時間を奪うものに…………。
誕生日、ホント楽しみ。
何も出来ない桜が、俺の為に頑張ってくれるだけで嬉しい!
インスタント味噌汁でもいいから
俺の為に作って。」

無理しなくても、心は十分伝わって嬉しいし。

インスタントでも、桜が心を込めてくれるだけで良いよ。

………………と伝えたかったのに

胸に頭を当てたまま、上目使いに見上げた桜は少し拗ねた表情で。

「先生…………ヒドイ。
上手く出来ないかも知れないけど…………
インスタントってことはないのに…………。
一応教室に通ってんだから…………。」と。

ホントは、味噌汁に半年かける人っていないんだけど…………。

ましてや、それで補習って……………。

それでも頑張ってちゃんとした物を食べさせると頑張る彼女が

健気で可愛くて、ついついからかいそうになる。