「姫乃さんって、結城くんと付き合ってるの?」

「へっ!?」


女子更衣室でジャージから制服へと着替えていると、突然そう上山先輩が聞いてきて、あたしは声を裏返した。


「さっきの結城くんの態度からして、もしかしてそうなのかなって思って……。あ、大丈夫だよ、恋愛禁止とかって言うつもりはないから」


先にニコッと笑顔で言われ、否定する理由を失くしたあたしは「……はい」と、恥ずかしさで赤くなりつつ頷く。すると、


「やっぱりそうなんだ! いいなぁ〜青春! 結城くんが部長にあんな顔するの初めて見たもん。姫乃さん、めっちゃ愛されてるでしょ?」

「付き合い長いの?」と、上山先輩に続けざまに問いかけられ、答えようとするけれど、


「あ、もしかしてマネージャー引き受けてくれたのって、結城くんがいるから?」


ふと思いついたように更に重ねられた質問に、あたしはピタッと体を止めた。