「正直言うと、何だかんだ言っても先輩はカッコイイし、姫乃の言う通り心配してた。でも、マネージャーのことは、姫乃が無理にやる必要はないから」
「俺とかレギュラーじゃないんだし、マネージャーの仕事くらい、自分たちで出来るし」と、結城くんは続けて微笑む。
あたしのことを思っての言葉に、胸の奥がきゅっとなる。
「でも……」
「ダサいついでに、俺も姫乃に話があって」
言いかけた言葉は、結城くんによって遮られた。
「話……?」
「うん、その……西川先輩のことなんだけどさ、姫ちゃんとか隼人先輩とか呼び合ってんの、距離感近すぎっていうか……ずるいなって思ってて」
語尾につれ、カーッと顔を赤くする結城くん。
「俺、姫乃のこと名前で呼んでもいい? ……俺のことも、望って呼んでほしい」
恥ずかしそうにしながらも、真っ直ぐ言われた言葉に目を見張る。そして、
「うっ、うん、菜子でっ!菜子で全然いいよ!?」
「じゃあ、菜子」
「…………の、望……くん?」
結城くんよりも更に。
あたしが耳まで真っ赤にして名前を呼ぶと、嬉しそうにフッと微笑んだ。