今、あたしの家の近くにいる……?


「うそっ……」


思わず小さく声に出して、震える手で返事を打つ。


【うん、大丈夫!今すぐ出るね!】


慌てて立ち上がり、リビングから出ようとすると、


「菜子、部屋にもどる前にお風呂入っちゃいなさい」


そうあたしを呼び止めたのはママ。


「えと、あの……ちょっと出てくる」

「え?今から?」

「うん。と、友達が近くまで来てるみたいで……相談があるっていうから」

「友達?」


訝しむように眉を寄せ、洗い物をしていた手を止め見つめるママ。


「すぐ帰ってくるから!ほんとすぐに!」

「あっ、菜子っ……」

これ以上尋問されると絶対にボロが出る……っていうか、今もうすでに怪しくて、あたしは逃げるみたいにリビングを出る……けど、


「えっ、うわっ、菜子!?」


ちょうどリビングに入って来ようとしていたのは、あたしより4つ上で大学生のお姉ちゃん。