だったら放課後、部活が終わったあとに一緒に帰ることが出来たら……なんて思っていたのだけど、
「あれ? 姫乃ちゃん?」
茜ちゃんには悪いから先に帰ってもらい、教室からグラウンドを見ながら結城くんの部活が終わるのを待っていると、誰かに声をかけられた。
「え、中村くん……部活は?」
振り返ってみてびっくりしたのは、結城くんと一緒にグラウンドにいるはずの人だったから。
「あぁ、委員会の集まりがあって。今から部活行くところ。姫乃ちゃんは? あ、もしかして結城? 」
「う、うん……」
小っ恥ずかしくて、赤くなりながら頷く。
「あ、でも約束とかはしてないんだ……。何時くらいに終わるかな?」
少し急いだ様子で荷物をまとめる中村くんに問いかけると、
「あー……今日あいつに自主練付き合えって言われたから、結構遅くなるかも。姫乃ちゃん待ってること伝えとこうか?」
「え、ううん! それならいいの! 急ぎの用とかじゃないから明日とかでも……」
「ほんとに?」
「うんっ!」
練習の邪魔をしちゃ元も子もない。
仕方ない、あたしは諦めて家に帰ることにした。