『最終的には、菜子がやりたいんならやればいいし、やりたくないんだったら断っていいと思うよ』
あのあと、「茜ちゃーん!」と泣きついたあたしに、そう言ってくれた。
部活に入るつもりはなかったわけだし、やりたいかやりたくないかの二択にしたら、やりたくない……方になるのかな。
でも、マネージャーさんが戻ってくるまでの少しの期間ですら引き受けたくないのかといったら、別にそういうわけじゃない。
隼人先輩には中学生の時マネージャーになったばかりの頃、色んなことを教えてもらってお世話になった。
だから、告白してしまったことの気まずさは確かにあるけど、困っているのならお手伝いしたい気持ちもある。
でも……結城くんが先輩のことを気にしているのなら、まずはちゃんと結城くんと話さなきゃって思ったのだけど。
結城くんが学食から戻ってきたのはギリギリで、話しかける時間なんてなく、それに内容が内容だけに、みんながいる教室では話しづらくて。