自販機の前だと邪魔になるから、場所を移動することになり、茜ちゃんにすぐ気付くように、購買の向かいの隅で、隼人先輩と向かい合う。


「あの、それで話っていうのは……」


なんだろう……。
こうして改まって話なんて、嫌な予感しかしない。

彼女がいると言っていたし、もう近寄らないでとかそういうことかなと、緊張しながら先輩の顔を伺うと、


「話っていうのは率直に、ひめちゃんにマネージャーになって欲しいんだ」

「……へ?」


マネージャー……?

全く予想もしていなかった話で、あたしは目を丸くする。


「実は今マネージャーやってくれてる子が、しばらく部活に出られなくなってさ。ひめちゃんなら中学の時マネやってくれてたし、いいなって思って」

「でも、あたし高校では部活に入らないつもりで……」

「ずっとじゃなくてもいいんだ。そのマネの子が戻ってきてくれるまでの間だけでも」


相変わらず柔らかく微笑む先輩。だけど瞳の奥を見れば、真剣なお願いだということは伝わってくる。

どうしよう……と、困っていると、