購買は、体育館横にある食堂のすぐ隣。

人気のパンはすぐに売り切れてしまうこともあって、人集りが出来ていた。


「あたしジュース買っておくよ。茜ちゃん何がいい?」

「うーん、じゃあミルクティーで」

「りょうかーい」


軽く手を振って、パンを買いに行った茜ちゃんと別れる。

その場から数メートルほどしか離れてない自販機。

私はミルクティーと、自分用のいちごオレを購入する。そして、


「……」


パックジュースを抱えたまま、足を止め見つめるのは学食の中。

結城くんは見当たらない……っていうか、人が多すぎてわからない。


むう……。


それでも諦めきれないあたしは、目を凝らし学食の中に彼の姿を捜している……と、


「ひめちゃん?」

背後から声をかけられ、振り返った。
するとあたしの後ろに立っていたのは、


「隼人先輩……」