「えっ、すごい! 1回で取れた!!」
クレーンゲームとか全く得意じゃないあたしは驚いて、ピョンと飛び跳ねる。
すると、結城くんは屈んでチョコレートを取り出して、
「あげる」
ポンっと、あたしの頭の上に乗せた。
「えっ、でも……」
「チョコ嫌い?」
「いや、好きだけど……」
「じゃあ貰って」
結城くんは一方的に押し付けると、「あっ、あれ」と、何かを見つけて歩き出した。
あたしは自分の頭から滑り落ちるチョコの袋を手に取って、その姿を追いかける。
今度は何だろう……と思って見てみると、
「このキャラ姫乃好きじゃね?」
そう結城くんが指さしたガラスケースの中には、天使の羽が付いたクマのマスコット。
「ペンケースとか、このキャラじゃなかったっけ?」
「ああ、うん、そう! 子どもの頃から好きで、最近羽が付いたシリーズが……」
なんて説明しているそばから、結城くんが百円を入れる。すると、流れ出す軽快な音楽。