──ピピピピッ、ピピピピッ。
「ん……」
聞き慣れた電子音に、薄っすらと瞼を上げる。無意識のまま、あたしは枕の横のスマホに手を伸ばし、アラームを止めた。
ぼんやりと見つめる画面には、6時30分の文字。
……いつの間にか寝ちゃったんだ。
眠ることなんて出来ないと思っていたのに、茜ちゃんと通話して、ぐるぐると同じことを考えているうちに、自然と眠りについていたらしい。
てか、クーラーつけっぱなしじゃん。
どうりで寒いと思った。
起き上がったあたしは、もう7月も半ばだというのにぶるっと身震いしながら、リモコンでピッとクーラーを消した。
そして再びベッドの上、布団の中に潜り込む。
もう昨日のことなのに、まだ鮮明に覚えている。
あたしを突き放した……望くんの冷たい顔に声。
正直、あそこまでハッキリ嫌われてしまっているなんて、思わなかった。
だからショックすぎて……あの後、どうやって部活をやり過ごしたのか覚えていない。