「はぁー……」


ため息のような、そうじゃないような。

どちらとも言えない息を吐いて、あたしはボスッとベッドに勢いよく倒れ込んだ。


あれからすぐ、結城くんは部活に向かってしまい、部活すら知らなかったあたしに呆れた茜ちゃんは、彼氏と約束してるからと先に帰ってしまった。

確かに、サッカー部ということすら知らなかったけど……でも、それが悪いことなんて、ちっとも思わない。

知らないのなら、これから知っていけばいいだけの話……なのに、茜ちゃんは何をそんなに気にしているんだろう。

少し考えてみるけれど、理由なんて検討もつかなくて。


「いいなぁ、茜ちゃんは」


ひとりきりの部屋の中、寝っ転がったまま枕を抱えて、呟いた。


あたしだって一緒に帰るだけでもいいから、放課後デートしてみたかった。

その夢が、とうとう現実のものに出来ると思っていたのに……。