「あれ? 菜子ちゃん、今日もひとり? じゃあこっちで一緒食べようよ」
「あ、うん……ありがと」
お昼休み、机の上にランチトートを置いて、小さくため息をついたあたしに声をかけてきてくれたのは、後ろの席の舞花(まいか)ちゃん。
「茜ちゃんと何かあったの?」
「え、えっと……まあ、ちょっと」
席を立って移動しながら、はぐらかすようにハハッと笑うと、舞花ちゃんは心配そうな目をして微笑んだ。
あれから、放課後にクレープを食べに行った日から今日で3日。
どう接したらいいのか分からなくて、茜ちゃんと話せずにいる。
「あ、姫乃さん今日も一緒に食べれるの?」
「ここ空いてるよ、座って」
舞花ちゃんについて行くと、いつも舞花ちゃんと一緒にいるグループの女の子達が、快く迎えてくれた。
休憩時間になると、あたしを避けるように教室を出て行ってしまう茜ちゃん。
舞花ちゃんが声をかけてくれて、こうしてグループの輪に入れてくれるから、あたしはひとりぼっちにならずにすんでいるのだけど……。