価値 玲奈side


人の価値ってどれ位なのだろうか。そもそも人の価値とは誰が決めるものなのだろうか。

「死ね」 「消えろ」

今では簡単に飛び交うその言葉。人の人権を傷つけるような、酷い言葉。

言葉の重みを知らない人達。そんな人たちに本当に価値があるのだろうか?
私はもう分からない。夢も希望も生きる価値も理由も全部。

私の気持ちは全て何も知らない大人達に消し去られて。
私の心は同級生などに傷つけられて。

あぁ、もう生きてても何も無い。もう嫌になって、私は生きる価値というものが無いのだろう。

さっき切ったばかりの腕の傷からは生々しく赤黒い血が流れる。少しピリっとするような痛みを感じ、その赤黒い血を見ると落ち着く。

何も無い私はこれをする事で少し気持ちが楽になっていた。

ドアの隙間から入る光に照らされ、私は静かに眠りについた。