「クラスの子達とはいつでも話せるし! 私はみずほとお弁当食べたいんだーっ!」
それを言ったら、幼馴染みで家も近所の私の方がいつでも話せるような気はしたのだけれど、お誘いを断る理由もないので、今日もお弁当を持って香と二人で中庭に向かう。
「みずほのお弁当、ほんとに毎日美味しそうだよねーっ!」
ベンチの隣に腰掛ける香が、私のお弁当を覗き込みながら言う。
「あ、ありがとう」
「そう言えばさーっ、今日もうちのクラスの女の子達が、松永のこと褒めててー」
……出た。松永君の話題。
最近の香は、私といる時になぜかいつも松永君の話をする。
内容は、松永君がモテるとか、松永君が案外優しいだとか、彼の株を上げるようなもの。
私は最初、香が松永君のことを好きになったのかと思ったけど、違った。
香はどういう訳だか、私の前で松永君の株を上げた後、いつも決まって
「みずほと松永って、お似合いだと思うんだよね」
と言うのだ。
「……えっとさ。香って、私と松永君をくっつけたいの?」
いつもは、この話題になると曖昧に笑って流してしまうのだけれど、今日はそんな疑問を直接口にしてみた。
すると香は。
「んー。私は思ったことを言ってるだけよ。誰と付き合うかはみずほ自身が決めることだもんね」
「そ、そうだよね」
「でも」
「え?」
「他に好きな人がいる訳じゃないよね?」
それを言ったら、幼馴染みで家も近所の私の方がいつでも話せるような気はしたのだけれど、お誘いを断る理由もないので、今日もお弁当を持って香と二人で中庭に向かう。
「みずほのお弁当、ほんとに毎日美味しそうだよねーっ!」
ベンチの隣に腰掛ける香が、私のお弁当を覗き込みながら言う。
「あ、ありがとう」
「そう言えばさーっ、今日もうちのクラスの女の子達が、松永のこと褒めててー」
……出た。松永君の話題。
最近の香は、私といる時になぜかいつも松永君の話をする。
内容は、松永君がモテるとか、松永君が案外優しいだとか、彼の株を上げるようなもの。
私は最初、香が松永君のことを好きになったのかと思ったけど、違った。
香はどういう訳だか、私の前で松永君の株を上げた後、いつも決まって
「みずほと松永って、お似合いだと思うんだよね」
と言うのだ。
「……えっとさ。香って、私と松永君をくっつけたいの?」
いつもは、この話題になると曖昧に笑って流してしまうのだけれど、今日はそんな疑問を直接口にしてみた。
すると香は。
「んー。私は思ったことを言ってるだけよ。誰と付き合うかはみずほ自身が決めることだもんね」
「そ、そうだよね」
「でも」
「え?」
「他に好きな人がいる訳じゃないよね?」