◯昴side
「くそっ。ちょっと天野さん、急いで」
女の子を急かすのはかわいそうだけど、みずほと篠原を二人きりにしたくない。
二人から目を離していたのはほんの少しの間だったはずなのに、まさかはぐれるとは。
……篠原のあの様子からして、みずほのことを今でも想っているに間違いない。
みずほが篠原をどう思っているかは知らないけど……二人きりでいるのを早く阻止したい。
「ちょっと待ってよ、こっちは浴衣に下駄なんだからそんなに早く走れないわよ」
言葉通り歩き辛そうな天野さんを見て、確かに申し訳ない気持ちにはなる。
「そうだよね、ごめん天野さん。でもさ俺、みずほのこと好きなんだよ。だから篠原と二人きりにさせておきたくなくて」
……って。こんなことを言ったところで、天野さんは俺のことを良く思っていないのだから、俺とみずほの関係なんて協力してくれる訳ないか、と気付く。
……しかし。
「あのさぁ、松永。
……私と手組まない?」
と、天野さんは意外なことを言ってくるのだった。
「手を組む?」
「うん。みずほとのこと、協力してあげるよ。彼氏が出来たらみずほにとってプラスになることも多いだろうし」
「それは有難いけど……天野さん、俺のこと良く思ってないでしょ?」
思っていることを正直に彼女に伝えると、またしても予想していなかった言葉を紡がれる。
「くそっ。ちょっと天野さん、急いで」
女の子を急かすのはかわいそうだけど、みずほと篠原を二人きりにしたくない。
二人から目を離していたのはほんの少しの間だったはずなのに、まさかはぐれるとは。
……篠原のあの様子からして、みずほのことを今でも想っているに間違いない。
みずほが篠原をどう思っているかは知らないけど……二人きりでいるのを早く阻止したい。
「ちょっと待ってよ、こっちは浴衣に下駄なんだからそんなに早く走れないわよ」
言葉通り歩き辛そうな天野さんを見て、確かに申し訳ない気持ちにはなる。
「そうだよね、ごめん天野さん。でもさ俺、みずほのこと好きなんだよ。だから篠原と二人きりにさせておきたくなくて」
……って。こんなことを言ったところで、天野さんは俺のことを良く思っていないのだから、俺とみずほの関係なんて協力してくれる訳ないか、と気付く。
……しかし。
「あのさぁ、松永。
……私と手組まない?」
と、天野さんは意外なことを言ってくるのだった。
「手を組む?」
「うん。みずほとのこと、協力してあげるよ。彼氏が出来たらみずほにとってプラスになることも多いだろうし」
「それは有難いけど……天野さん、俺のこと良く思ってないでしょ?」
思っていることを正直に彼女に伝えると、またしても予想していなかった言葉を紡がれる。