「ああ、いいよそれは」

篠原君は、松永君とは違いアッサリと引き下がった。


……私、自分の気持ちがよく分からない。

だって、松永君に〝諦めない〟と言われた時は少し困ってしまったのに、篠原君にアッサリと引き下がられた今は、何だか寂しい。

凄く自分勝手な感情のように思える。だけど、もしかしたら。



(こう思うのは、相手が篠原君だから……?)


……恋って、難しい。
誰とも付き合ったことのない私には、尚更。


だけど。分からないけど、もっと知りたいーーりんご飴をもう一口かじりながら、そう思ったのだった……。