「バカ、違ぇよ」

と篠原君は即答するものの、


「……夏祭りに誘われただけだ」

とも言うのだった。


女の子からお祭りに誘われるなんて、篠原君、やっぱりモテるんだ……!



「そこの神社の夏祭り、来週だもんなぁ」

内心驚いてる私とは対照的に、松永君は落ち着いた様子でそう言う。


「俺も何人か女の子達に誘われたわ」

なるほど……! 松永君もモテるもんなあ……!



「女の子達に誘われて、何て答えたの?」

二人にそう尋ねると、篠原君は「だってその日は部活だろ」と即答。

確かに、夏の大会を勝ち進んでいるから、まだまだ部活の練習は厳しい。
しかし。


「その日は、練習は夕方前には終わるらしいよ」

結先輩がそう言ってた、と私が言うと、二人揃って「そうなの?」と返してくる。


「大会まだ続いてんのに、そんな早い時間に練習終わらせるんだ?」と松永君。


「うん。毎年夏祭りの日だけは、羽を伸ばすために練習は休みにしてるんだって」

「まあ、たまには休むことも大事だからなぁ。ーーそうだ、みずほ」

「何?」

「それなら、俺と一緒に夏祭り行かねぇ?」