その日の放課後。
体育館の鍵を体育館に戻した後、私は玄関でとある人を待っていた。
話があるから玄関で待ってる……とメッセージを送ったら【分かった】と返信が来たから。
数分後、その相手が姿を現した。
その人とは……もちろん、松永君。
「悪い。待った?」
「ううん、全然。私の方こそ、練習で疲れてるところ呼び出してごめん」
靴を履き替えた松永君が、私の正面に立つ。
私になぜ呼び出したか、私が何を話そうとしているかは、分かっている様子だった。
「……あのね、松永君。この間、仲の良い友達になれるかどうか考えてって言われたでしょ?」
「うん」
「私……あのデートの日、あんなことになって、本当に悲しかった。
正直言うとね、それまでは松永君に対してドキドキ……してたの。男の人にそんな気持ちを抱くなんて初めてだった」
「……うん」
「それでもやっぱり、それ以上に傷付いたから。付き合う、とかは考えられない」
私がそう伝えると、彼は「……そっか」と小さな声で頷いた。
しかし、私の話はここで終わりではない。
「でもね、思い出したの。……私が一人でお弁当食べてる時に、松永君が声を掛けてくれたなぁって」
体育館の鍵を体育館に戻した後、私は玄関でとある人を待っていた。
話があるから玄関で待ってる……とメッセージを送ったら【分かった】と返信が来たから。
数分後、その相手が姿を現した。
その人とは……もちろん、松永君。
「悪い。待った?」
「ううん、全然。私の方こそ、練習で疲れてるところ呼び出してごめん」
靴を履き替えた松永君が、私の正面に立つ。
私になぜ呼び出したか、私が何を話そうとしているかは、分かっている様子だった。
「……あのね、松永君。この間、仲の良い友達になれるかどうか考えてって言われたでしょ?」
「うん」
「私……あのデートの日、あんなことになって、本当に悲しかった。
正直言うとね、それまでは松永君に対してドキドキ……してたの。男の人にそんな気持ちを抱くなんて初めてだった」
「……うん」
「それでもやっぱり、それ以上に傷付いたから。付き合う、とかは考えられない」
私がそう伝えると、彼は「……そっか」と小さな声で頷いた。
しかし、私の話はここで終わりではない。
「でもね、思い出したの。……私が一人でお弁当食べてる時に、松永君が声を掛けてくれたなぁって」