「特別……?」

思わず首を傾げると、松永君は信じられない言葉を口にする。



「好きなんだ。みずほのことが」




……え?
何? 聞き間違い……?




「……聞き間違いとか思うなよ」


私の心を見透かしたらしい彼が、気恥ずかしいのか首の後ろをポリ、と掻く。


……本当に? 本当に松永君が私のことを?



「……この間のデートの時に俺さ、みずほのこと可愛いと思ってるし付き合ってもいいって、言ったじゃん。あんな言い方しちまったけど、あれは本音で」

「……」

「みずほといると何か癒されるし、バスケももっと頑張ろうって思うんだ。俺はみずほと付き合いたいって真剣に思ってる」

「松永君……」


……私だって。

あのデートの日までは、松永君にドキドキしていた。

教室で、皆に隠れて頬にしてくれたキスも、驚いたけど本当は凄く……嬉しかった。


でも……。



「……ごめんなさい」

やっぱり、あなたと付き合いますとは言えない。


だけど、松永君は。