嘘だろ⁉︎ あいつも同じ高校⁉︎


まあ、あいつの家は確かこの近くだったし、この高校に入学していてもおかしいことは何もない。


だけどまさか、同じクラスとは……。


その上、クラスに女子はあいつ一人。小学生の頃のあいつは、俺のせいで男子と話すことが出来なくなっていた。
あの不審な挙動からいって、今もそれは変わっていないのかもしれない……。




ーー今更、あいつとどうこうなりたいなんて思ったらいけない、よな。そんな資格、俺にはない。


だけど、あいつが困っていたら助けてやれる存在になりたいとは思う。



あいつが俺の正体を知ったら、友達にすらなれないだろう。
でも、正体を隠して友達になろうと思っている訳でもない。



この気持ちも、俺の正体も、俺の胸の内に秘めておこう。

この時は、本気でそう思っていた。



……そう思いながらも、その時は桜井のことを横目で何度も盗み見した。



End