文化祭が終わり、一週間後。

最近は随分と肌寒くなってきて、カーディガンを羽織るようになった。


それ以外は至って普段通りの、放課後の部活終わり。

いつも通り、梓君と一緒に駅まで二人で下校する。
最近は、私達が付き合っていることを知る人は前にも増して増えた。
まあ、文化祭の時に堂々と手を繋いだしね……。
でも、私も彼もどちらかと言うと恥ずかしがり屋な方なので、基本的には手は繋がない。


でもそのお陰で、彼と二人で歩いていても変に意識をすることはなくリラックス出来る。正確に言うと、ここ最近でようやくリラックス出来るようになった、という感じだけれど。


それでも、突然こんなことを言われてかなり動揺してしまった。



「今週の土曜日、うちに来ないか?」



……うち?

うちって、梓君のお家?



「……え⁉︎」

まさかそんなことを言われるとは思わなかったので、顔がボンッと熱くなり、多分今の私は茹でダコみたいな顔をしている。


そんな私の様子を見て、彼は慌てたように。



「へ、変な意味で誘ってないから! 母親もいるし!」

「えっ、あっ」


そ、そうか。お母さんもいるのか……って当たり前だよね。私は何を勘違いして……恥ずかしい!



「そ、そうだよね! 勘違いしてごめん……」

「あ、いやこちらこそ……。で、予定どう?」

「大丈夫!」


彼のお家で彼のお母さんに会うなんて酷く緊張するけど……そこまで意識しなくて大丈夫、だよね?
まあ、元々緊張しいな性格だから、緊張からは逃れられないとは思うけど。