「莉由も、来年うちの高校を受ける予定みたいなんだ。だから、学校見学も兼ねて文化祭を見に来たらしい」

「そうなんだ⁉︎ あっ、じゃあもしかして、莉由さんと一緒に学祭を回って、校内を色々案内してあげる予定だった……⁉︎」

「子供じゃないんだし、一人で回るだろ。まあ、ナンパ目的のチャラい男とかに引っかからないか心配だから、後で連絡はしてみるけど」


……つまり、篠原君に会うために文化祭にやって来た訳ではなく、あくまで学校見学のためだったということ?



「じゃあ、この間莉由さんが〝今度また家に遊びに行く〟って言ってたのは……」

「昔からよくうちに遊びに来てたから、その延長戦って感じだな。と言っても、あいつが来るとめちゃくちゃ散らかして帰るし、受験勉強にも集中してもらわないといけない時期だから、当分来るなって約束させたんだけどな。……ちなみにあいつが家に来たからって、俺の部屋には上げてないからな」

「う、うん」


そう言えばこの間篠原君と映画を観に行った時、彼の親戚の子がああいう系統の映画が好きで、篠原君もよく一緒に観せられる……っていう話をしていたけれど、その親戚の子というのが莉由さんだったのかもしれない。小さな親戚の子だと勝手に思っていた。