ていうか。
普通に考えて元カノくらいいるよね。だって、あんなにかっこいいんだもん。実際、モテモテだし。


……まさかと思いたいけれど、私のことを好きって言ってくれたのって、小学生時代の初恋の思い出補正とかじゃないよね?


本当の本当は、莉由さんみたいなスポーティーな女の子が好きだったり……って、彼氏の気持ちを疑ってどうするの、私!
……でも、それならフリフリのメイド服を無視するのも尚更頷けるし……。



どうしよう。どんどんマイナス思考になっていく。こんな風に考えたく、ないのに。



「お、おい。みずほ?」

「……っ」

どうしよう。涙が出てきちゃった。



「ご、ごめん。私、もう当番の時間終わってるから、席外すね」

「お、おう」


当番が終わったら即着替えてやる!と思っていたけれど、そんな余裕もなく、私はなるべく誰にも泣き顔に気付かれまいと、足早に校舎の中へと向かった。