その日の放課後。私は松永君に連れられて、早速バスケ部へと顔を出した。


「は、初めまして！　桜井みずほと言います！　よろしくお願いします！」

部員全員の前で自己紹介と挨拶をし、ぺこりと頭を下げる。
マネージャーの先輩以外全員男の人だし、私はただでさえ人見知りなところがあるから、緊張する……！


「キャプテンの堤(つつみ)です。よろしく、桜井さん」

キャプテンがそう言って優しく微笑みかけてくれる。
思わず目を逸らしそうになるけれど、自分を変えるため、グッと堪えて視線を合わせた。

黒髪で短髪のキャプテンは、松永君や篠原君より更に背が高く、優しそうな人。



「桜井さん、ジャージ持ってきてる？」

そう尋ねてきたのは、マネージャーの小森(こもり)先輩。
肩にかかるくらいのストレートの黒髪を耳にかけている、美人な三年の先輩だ。


「はい、持ってきてます」

「じゃあまず、ジャージに着替えようか。更衣室案内するね」

そう言って、小森先輩は私を体育館内の更衣室へと案内してくれる。