「わ、悪くなったとまではっ!」
慌てて両手を顔の前でブンブンと振るも、この言い方では全然誤魔化せてはいないことに気付く。
「あはは。いいよ、自覚あるし。自覚あるっていうか、こっちの方が素かも」
素?と首を傾げて聞き返すと。
「そう、素。女の子にモテるに越したことないと思ってついつい優しい自分を演じちゃうんだけど、本来はそこまで他人に興味ないから、演技してなければ結構冷たい奴になっちゃうんだよね。勿論、好きになった女の子には、本気で優しくするけど」
「そっか……。どうして演じるのやめたの?」
「色々懲りた。好きになってくれる女の子が多いせいで、みずほにも迷惑かけたし」
「えっ?」
まさか私が原因とは思わなかったので、思わず身を乗り出し、
「あ、あれは松永君のせいじゃないよっ‼︎」
と声を荒げてしまう。
私が大きな声を出すことは普段はあまりないから、香と篠原君も少しびっくりした顔でこっちを見たのが分かった。
しかし松永君は、特に驚く様子もなく、いつもの笑顔で答える。
「みずほのことだけが原因じゃないよ。ほら、みずほを一番目の敵にしてた黒い髪の女の子覚えてるだろ。あの子も、元はと言えば俺が優しくして勘違いさせたのがきっかけで、ちょっとストーカーっぽくなっちゃったからさ」
慌てて両手を顔の前でブンブンと振るも、この言い方では全然誤魔化せてはいないことに気付く。
「あはは。いいよ、自覚あるし。自覚あるっていうか、こっちの方が素かも」
素?と首を傾げて聞き返すと。
「そう、素。女の子にモテるに越したことないと思ってついつい優しい自分を演じちゃうんだけど、本来はそこまで他人に興味ないから、演技してなければ結構冷たい奴になっちゃうんだよね。勿論、好きになった女の子には、本気で優しくするけど」
「そっか……。どうして演じるのやめたの?」
「色々懲りた。好きになってくれる女の子が多いせいで、みずほにも迷惑かけたし」
「えっ?」
まさか私が原因とは思わなかったので、思わず身を乗り出し、
「あ、あれは松永君のせいじゃないよっ‼︎」
と声を荒げてしまう。
私が大きな声を出すことは普段はあまりないから、香と篠原君も少しびっくりした顔でこっちを見たのが分かった。
しかし松永君は、特に驚く様子もなく、いつもの笑顔で答える。
「みずほのことだけが原因じゃないよ。ほら、みずほを一番目の敵にしてた黒い髪の女の子覚えてるだろ。あの子も、元はと言えば俺が優しくして勘違いさせたのがきっかけで、ちょっとストーカーっぽくなっちゃったからさ」