その後私は、朝のホームルームが始まるギリギリの時間に教室へと戻った。

席に着くとすぐにホームルームが始まったため、いったんはクラスメイト達からの集中的な視線からは逃れられた。


その後も、クラスメイト達からは特別何かされたり言われたり、ということはなかったけれど……


四限の体育の授業でのこと。


体育の授業は隣のクラスと合同で、男子と女子は別の体育館で授業が行なわれる。


うちのクラスの女子は私一人なので、いつもは近くにいる女の子達のグループに入れてもらっている。
しかし今日は、周りにいた女子達の、じっとりと睨み付けるような視線が私に集中していた。


……そして、今朝のあの子の姿を発見し、嫌な予感が全身を駆け巡る。

そうか、どこかで見たことある子だと思っていたら、体育が合同だったんだ……。

その子から何か聞いているのか、隣のクラスの女の子達は皆、私と距離を置き、ひそひそと話し始める。

会話の内容は聞こえてこないけれど、良い内容でないことくらい、分かる。


二人一組に分かれて行なうストレッチでは、皆が私のことを分かりやすく避け、孤立してしまった。

どこかの組み合わせに入れてもらってね、と先生に言われるけれど、どこからか、



「男好きがうつるから触りたくなーい」



という、笑い声混じりの言葉が聞こえてきて、周りの人達もクスクスと笑い始める。


やっぱり、このクラスの女の子達は皆、私のことをよく思っていないんだ。