香と別れ、教室へと戻る。
その途中。偶然、階段の踊り場で松永君と遭遇した。
だけどやっぱり、彼はすぐに私から目を逸らし、通り過ぎていく。
香の言う通り、仕方ないことなのかもしれない。
胸を痛める資格も、私にはないのかもしれない。
……それでも。
「……私はこんなの嫌だよ……っ!」
足を止め、振り向いてそう伝えると、階段を下りていくところだった彼もまた、立ち止まって私に顔を向ける。
その顔は、少し驚いていた。
「……松永君は、付き合うか口聞かないかどっちか決めてって言うけど……私はやっぱり、松永君とは付き合えない。
だけど、これから先ずっと口を聞かないなんて嫌だよ」
こんなワガママ、私が主張することではないのは分かってる。
それでも、やっぱり。
「ずっと友達でいて、なんて言う資格は私にはないのかもしれない。
だけど、私にとって高校で初めて出来た大切な友達が松永君であることに変わりはないから……っ」
自分の気持ちを伝えることに必死になってしまい、思わず涙が出てきた。
泣いたらウザいだろうなって思ったから、なるべく頑張って涙を引っ込めようとしたけど上手くいかず、結局私から彼に背を向けた。
そのまま階段を上がっていくと、背後から松永君の声が聞こえてきた。
「ーーごめん」
階段を三段上がったところで、私は再び足を止め、振り向いた。
その途中。偶然、階段の踊り場で松永君と遭遇した。
だけどやっぱり、彼はすぐに私から目を逸らし、通り過ぎていく。
香の言う通り、仕方ないことなのかもしれない。
胸を痛める資格も、私にはないのかもしれない。
……それでも。
「……私はこんなの嫌だよ……っ!」
足を止め、振り向いてそう伝えると、階段を下りていくところだった彼もまた、立ち止まって私に顔を向ける。
その顔は、少し驚いていた。
「……松永君は、付き合うか口聞かないかどっちか決めてって言うけど……私はやっぱり、松永君とは付き合えない。
だけど、これから先ずっと口を聞かないなんて嫌だよ」
こんなワガママ、私が主張することではないのは分かってる。
それでも、やっぱり。
「ずっと友達でいて、なんて言う資格は私にはないのかもしれない。
だけど、私にとって高校で初めて出来た大切な友達が松永君であることに変わりはないから……っ」
自分の気持ちを伝えることに必死になってしまい、思わず涙が出てきた。
泣いたらウザいだろうなって思ったから、なるべく頑張って涙を引っ込めようとしたけど上手くいかず、結局私から彼に背を向けた。
そのまま階段を上がっていくと、背後から松永君の声が聞こえてきた。
「ーーごめん」
階段を三段上がったところで、私は再び足を止め、振り向いた。