「飛鳥ちゃんは何食べたい?」


貴哉くんは、自身もキョロキョロしながら問うてきた。


「…私どんだけ食い意地張ってると思われてるの?」

「へ?え、だって夏祭りって言ったら、焼きそばとか林檎飴とか、食べるのメインじゃないの?」

「…んー、まあ確かに」

「納得するんかい」


翔には真顔でツッコまれるが。


「んー、何食べよっかなー!」


これと言って決めていなかった私。

いつの間にか、貴哉くんと一緒に夏祭りに行く、が目的になっていた。


「まあとりあえずは、安定の焼きそばですかね。2人は食べる?」

「うん!僕食べる!」

「翔は?」

「ん、じゃあ俺も」

「了解ー。じゃ、翔くんよろしく」

「よっしゃ、よろまれた!…っておい、俺はパシリなのかよ」

「え、今日はうちらの財布じゃないの?あと私の送迎担当でしょ?」

「アッシーくんとメッシーくんを1人2役やってる俺、ちょっと不憫じゃない?」

「…可愛い妹のお世話ができるっていう特権」


てか、アッシーくんとかメッシーくんて…バブル時代の都合の良い男友達ではないか?
テレビでしか聞いたことないよ。

まあいいや、私が行くか。


「後で300円徴収するから、2人は席取ってて」

「ういっす」