ー貴哉sideーー
良かった。飛鳥ちゃんにカッコイイ所見せられた。
…あれ?カッコイイは言われてなくない?何なら、貴哉くんらしくないとか言われたな…。あれ?
「ねえねえ、カッコイイはもらってない」
飛鳥ちゃんに訴えると、こちらを見上げ、キョトンとした表情を見せてきた。
「カッコ良かったと思うけどさ…私にカッコイイ言われても、それで?って感じでは」
困惑気味にそう言ってきた。彼女の隣にいる翔さんは、何か言いたげに1人でウケてるし。
いくら射的が得意で、狙った景品を撃ち落とせたとて、1番手に入れたい“飛鳥ちゃんの恋心”は撃ち落とせない。
なんかアレだね、飛鳥ちゃんのこと好きになってから、くさい台詞が生まれるようになってしまったよ?
「…貴哉、何でお前そんなに冷静なわけ?」
翔さんにそんなことを言われる。
「飛鳥ちゃんに、カッコイイ言われたー!とか、無いの?何なら、あーあ…って感じすらあるんだけど」
「…翔さん見てたら、逆に冷静になったというか」
「あ?何でだよー!」
自分の厨二病説も浮上したことで、何となく微妙な反応になってしまったんですぅー。