「…私のいない間に、仲良くなったっていうか…付き合うことになった?」

「どうしてそうなる」

「翔になんか渡さないからー。貴哉くんは私のだからー」


貴哉くんが何に驚いたのか、咽て咳込む。


「え?大丈夫?」

「お前が変なこと言うからー」

「えー…?」


3人でのんびり焼きそばを食べて、花火まで1時間を切った。


「やっぱさ、林檎飴頬張りながら花火見たいよね」

「僕は綿飴派かな。でも分かるよ?
甘い物食べながら見たいよね」

「気が合いますね」

「そうですね」


なんて会話しながらプラプラしていると。


「射的あんじゃん」


翔が最初に気付く。
本能なんですかね、とりあえず獲物狙いたいんですかね。

なんて思ってると、翔が貴哉くんに肩を組んでいた。…ねえ、仲良くなりすぎじゃない?


「なあなあ貴哉?飛鳥の欲しい物取ってやったら、貴哉くんカッコイイー!キャー!ってなるんじゃね?」


何吹き込んでんだ、うちの兄は。
当の貴哉くんはポカンとしちゃってるし。


「じゃあ飛鳥ちゃん、何取ってほしい?」

「何で乗り気になってるのー?」

「そりゃ、飛鳥ちゃんに…キャーカッコイイ!って言われるため」

「はあ…」