「けど…俺、誰が飛鳥ちゃんと付き合っても、奪ってやる!って気でいるんで」
「いるんで?」
「絶対、翔さんの弟になるから、待ってて、ね!」
「ああ…うん。ライバルに向けるような目で俺のこと見ないでね?
さっきも、なんかお似合いだとか言ってたけど、普通に兄妹なんだわ」
「ある意味ライバル」
「はあっ?!」
「だって飛鳥ちゃんと、生まれた時から一緒で。一緒にいる時間は何年経っても抜かせないし、翔さんの方が、俺よりも飛鳥ちゃんのこと知ってるから」
「まあ、そうだな。…だったら、好きって気持ちで勝てば良い」
「それは勝てる」
「急に生意気になったな、貴哉ー!」
俺はもう、とりあえず頭を撫で撫でしておいた。
「まあ分かったろ、俺は貴哉の味方だよって」
「飛鳥ちゃんと俺がくっついて、文句無いってこと?」
「文句無いってか、貴哉がいい。応援はするけど、ちゃんとお前の口から言えよ?好きって」
「そりゃ…勿論」
「だから、言ってねーよ。こないだの独り言の内容」
「やっぱ聞こえてはいたんだ…恥ずかし…」
顔を手で覆ってしまう。
どんだけ恥ずかしかったんだよ!