「めっちゃ嬉しそうじゃん」

「嬉しいに決まってます」


さてと…敬語をやめていただきたいかな。
飛鳥があんなだし、年上扱いされるのはむず痒い。


「あのさ貴哉」

「はい?」

「敬語をやめよう、な?」


貴哉は、嬉しいのか困ってるのか、どっちとも取れる表情を見せてきた。


「どっち?」

「ええっ…」

「飛鳥ちゃんのお兄さんにタメ語許してもらえたー!嬉しいー!…的な、気持ちなのか。
飛鳥ちゃんのお兄さん、馴れ馴れしく絡んできたんだが?…的な、困惑なのか」

「困惑の理由は違うけど…どっちもです。嬉しいも、困るも」

「早速敬語調になってますがぁ?」

「あっ…」


可愛いんだけど。何この子。
もうちょっと可愛がっちゃおー!


「やっぱさー、貴哉は俺の弟になるんだから、そんな距離取られるのやだなーって思うじゃん」

「弟…?」


今度は、算数の授業中に分かんなくなっちゃった小学生みたいな反応だ。


「…ええっ!弟っ…!?義理の弟ってこと?!」

「え、そうじゃねーの?」

「ま、まだ付き合ってないです!…付き合ってない!」

「うん、付き合ってないのは知ってる。
へえ、ふぅん…。まだ、かぁ…」


顔を赤くして、もう見てらんないわ。
青春だわ。