「ええ⁉ 今度はいつ見られるんだろ?」

「八年後……」


 彼の言葉に私は衝撃を受ける。

 まだひとつも見れていないのに。

 願い事をたくさんしようと思っていたのに。

 それなのに、次に流れ星が見られるのは八年後だって?

 八年後なんて、私はもう十六歳だ。

 十六歳ってもう大人なんじゃない?

 遠い未来の話過ぎて、全く想像ができない。

 実は流れ星を捜している間に、お願い事がひとつ増えたのに。

 絶対に一番にお願いしようと思っていた。

 ――今手を繋いでいる彼と、友達になれますようにって。


「うう……うえええん!」


 悲しくなって、私は思わず号泣してしまった。

 八年後なんて、私にとっては永遠に訪れないと思えてしまうほど長い時間に感じた。

 もう二度と見られないんじゃないかとすら、思えた。


「おいおい、泣くなって」


 いまだに私の手をぎゅっと握りながら、彼が少し困ったように言う。

 だけど、突き放したような言い方ではなかった。