「え?」


 言われて、眼前の男の子が大人になって、お医者さんになっている姿を想像してみた。

 少しクールだけど、実は優しくて、頼りがいがあって……。


「うん。それなら怖くない」

「そっか。じゃあなれるように頑張るよ!」


 くしゃりと、端正な顔を崩して破顔する男の子。

 それを見た瞬間、心臓がどっくんどっくんと波打った。ちょっと息が苦しくもなる。

 病気かな?と一瞬心配にもなったけれど、心は幸せな気持ちで満たされていたので、きっと悪いことではないんだろうなと思い直す。

 ――だけどなんでこんな気持ちになるのだろう。

 心臓がドキドキというのだろう。

 私には全然わからなかった。


「ねえ、君も今日は星を見に来たの?」


 そんな私に向かって、男の子が尋ねる。私はこくりと頷いた。


「じゃあ、一緒に見ようよ。流れ星」

「うん!」


 彼が再び手を握って、私を引っ張る様に駆け出した。