「あれは、途中から回答欄がひとつずつ全部ずれちゃってただけ。見直したら、ずれてなければ全部当たってたよ。先生に言ったら、『次は見直しちゃんとしなさい』って笑われたよ。あれくらいじゃ成績下がらないから。人に教えるのも、勉強になるって言ったじゃん」
「えー! そうだったの⁉」
思いがけない事実に、驚きの声を上げてしまう。
「悪かった模試の結果が返ってきた後すぐに、体育祭があってさ。紗良から嫌われてるんじゃないかって思ってたから、運動もうまくできない気がしてた。でも、かっこいいとこを見せたら紗良がまた振り向いてくれるかも、と思い直したら頑張れた。……つまり俺の原動力は、結局紗良ってこと」
照れたように微笑みながら、光雅くんが言う。
――私は何をうじうじしていのだろう。
いろいろ勝手に勘違いして、私をこんなにも大切に思ってくれている光雅くんから、離れようとしていたなんて。
馬鹿だ。大馬鹿だ。
良悟くんが言っていた通り、私って本当に馬鹿だ。
「えー! そうだったの⁉」
思いがけない事実に、驚きの声を上げてしまう。
「悪かった模試の結果が返ってきた後すぐに、体育祭があってさ。紗良から嫌われてるんじゃないかって思ってたから、運動もうまくできない気がしてた。でも、かっこいいとこを見せたら紗良がまた振り向いてくれるかも、と思い直したら頑張れた。……つまり俺の原動力は、結局紗良ってこと」
照れたように微笑みながら、光雅くんが言う。
――私は何をうじうじしていのだろう。
いろいろ勝手に勘違いして、私をこんなにも大切に思ってくれている光雅くんから、離れようとしていたなんて。
馬鹿だ。大馬鹿だ。
良悟くんが言っていた通り、私って本当に馬鹿だ。