「だけど、私は……」

「…………。紗良、俺のこと避けてるよな。何か理由があるの? ここに来てくれたってことは、俺を嫌ってるってわけではないみたいだけど」


 心配そうな面持ちになって、私の顔を覗き込む光雅くん。

 彼は私にまっすぐに気持ちを伝えてくれた。

 ここまでされて、自分の劣等感を理由に真実を話さないのは、卑怯だと思う。

 だから私は、光雅くんに全てを正直に打ち明けた。

 クラスメイトに、私と光雅くんが釣り合わないと言われたこと。

 実際に、私に勉強を教えたせいでテストの点数が下がったり、体育祭では私を助けるために競技に出れなかったりという、迷惑をかけてしまったこと。

 その結果、私自信も光雅くんの足枷にしかなっていないと思うようになってしまったということ。


「だから私……。光雅くんと一緒にはいられないんだって思ってて」


 正直に心情を吐露したが、胸が張り裂けるように痛かった。

 本人の前でこれを言葉にすることで、底知れない虚しさに襲われた。

 ――しかし。