確かに、夢のような出会いだったと思う。

 滅多にない流れ星の中での、あなたとの邂逅は。


「このキーホルダーだって、あの時たくさん出回ってたからさ。ただ単に俺が持っていた物を、夢の中の女の子にもらったんだって思いこんでるのかもしれないとすら思えてきて。夢なのか夢じゃないのか、いくら考えてももちろん結論なんて出なかったけど。あの時、俺は遠くの町に住んでいて、家族旅行でたまたまこの土地に来た時に、ここに星を見に来たんだ。もう一度この公園に来て紗良のことを捜して夢じゃなかったって確かめたかったけど、子供にはちょっと遠すぎて、来れなかった」


 流れ星がひとつ、視界の隅で落ちた気がした。

 少し離れた人だかりの中から、歓声が聞こえてくる。


「紗良のことは忘れた日は一日だってなかった。あの女の子は現実には存在しないかもしれない。だけど、額帯鏡を一緒に捜してくれた紗良の姿を思い出すと、絶対に医者になってやるんだって思いがすごく強くなるから、俺はずっと頑張ることができた」


 光雅くんは相変わらず私を優しく見つめながら、笑みを深くした。