ずっと、持っていてくれていたんだ。

 光雅くんも、あの日交換した友情の証を、私と同じように、ずっと。

 しかしある疑問が浮かんできたので、私は光雅くんにこう尋ねる。


「光雅くん、昔ここであったことを覚えていたの――?」


 だって、再会したあなたはたった一度だって、そんな素振りを見せなかったじゃない。

 私が、昔もう一度流星群を見る約束をした男の子がいるって話した時も、「ふーん」って興味無さそうに言って、素知らぬ顔をしていたじゃない。

 私が通学鞄に付けていたこのキーホルダーについて話した時だって、まったく昔のことには触れずじまいだったし。


「あの時のこと、俺はずっと覚えていたよ。あの日初めて会った、優しくてかわいい女の子と、一緒に流れ星を捜したことは。――だけど」


 光雅くんは私の方を見た。

 目を細めて、私を見つめている。

 その瞳があまりに優しくて、愛おしそうに見られてる気がしたのは、私の願望なのだろうか。