八年前の幼かった彼の姿が、今の彼と重なる。

 背格好はだいぶ変わってしまったけれど、その穏やかな面持ちは、何ひとつ変わっていない。


「光……雅くん。どうして、ここに……?」


 驚愕のあまり、掠れた声でそう尋ねる。

 光雅くんは私の隣に来ると、星空を眺めながらこう言った。


「どうしてって。だって、約束しただろ。八年後、ここでまた流れ星を一緒に捜そうって。言うまでもないことじゃん?」


 言いながら、光雅くんはポケットから小さな黒い物を出した。

 暗がりで最初は何かよくわからなかったけれど、目を凝らして見てみてそれが何かわかった瞬間、深い嬉しさがこみ上げてきた。


「それ……! あの日交換した猫のキーホルダー……!」

「そうだよ。八年間ずっと肌身離さず持ってた。なくすのが怖いから、財布の中に入れてさ。紗良も通学鞄に付けてくれてたよな」

「うん! 今日も持ってきたよ!」


 私は今日持ってきたショルダーバッグに括りつけたキーホルダーを、光雅くんに見せる。