だけど、安心感の方が大きいような気がする。

 これで私は、迷うことなくあなたを諦めることができる。

 好きな気持ちを抱えたまま、あなたを陰から応援する決意ができる。

 そう思ったら、星の光が滲んで見えた。

 頬に伝う涙を私は手で拭った。

 ーー光雅くん。

 ずっと私に夢を見させてくれて、ありがとう。

 私はこれからもずっと、光雅くんの夢が叶うように応援し続けるよ。

 あなたの夢が叶うことが、私にとっては一番大きな幸せなのだから。

 満天の星空に向かって、私が胸中でそう言った。

 ――まさに、その時だった。


「昔、家族に連れられて一回来ただけだったから道に迷ったわ。遅くなってごめんな、紗良」


 背後から聞こえた来たのは、信じられない声だった。

 大好きで大好きでたまらない、落ち着いていて透き通っているあの声。

 私は驚きながらも、振り返った。

 彼は――光雅くんは、いつものように小さく微笑みながら、そこに立っていた。