「俺はモンブランに……コーラ!」


 良悟くんが意気揚々と言うと、芽衣が驚いたような顔をした。


「ケーキにコーラって、両方とも甘い味で合わなくない? コーヒーか紅茶と一緒に食べるのが、やっぱりおいしいと思うんだけどな~」

「えー、だって俺コーラもケーキも好きすぎて譲れねーんだもん。それぞれおいしく味わうからいいの!」

「まあ、個人の自由だと思うけどさー。正直ケーキの楽しみ方としては邪道だと思うわ」

「そうかあ? 甘いケーキの後に、シュワシュワっとした炭酸を感じるのがいんだよー。ねー、紗良ちゃん」


 いきなり良悟くんに同意を求められるも、私もケーキには紅茶派なので、苦笑いを浮かべて首を傾げた。


「うーん。私も邪道に一票だなあ」

「ありゃ……。ふっ、俺の天才的な発想はなかなか理解されんなあ。世知辛い世の中だぜ」

「はあ? 何それ」


 良悟くんと芽衣が声を上げて笑い合った。

 私もつられて笑ってしまう。