五時間目は体育で、近いうちに行われる体育祭のために、出場する種目ごとに分かれての練習となった。

 私は芽衣と一緒にバレーボール、光雅くんはバスケットボール、良悟くんはソフトボールに出場する予定だ。


「そっちいったよー!」

「はーい!」


 体育館での試合形式の練習中、前衛の子にそう言われ後衛の私はボールの方へと駆け寄る。

 ギリギリのところでボールに追いつき、アンダーハンドパスで相手側に返すことができた。

 そしてそのボールは、うまい具合に相手チームの選手がいないところに飛び、床へとそのまま落ちた。

 私たちチームの得点となる。


「ないっすー! 紗良!」

「た、たまたまだけどね!」


 笑顔でそう言ってくれた芽衣に、私は恐縮しながら答える。 

 だって本当に狙ったわけじゃない。

 偶然私が上げたボールが、相手の隙をつくところに落下しただけだ。

 だけど、もっと練習してちゃんと狙い撃ちができるようになりたいな。

 子供の頃から、運動するのは結構好きだ。