「すみませんが、この後予定がなかったら俺のスマホを自宅まで届けてくれませんか?

どうしても必要なものでして…って、わわっ!」

えっ、何?

シューシューと何かが吹き零れるような音がしたかと思ったら、ガスを切る音が聞こえた。

「すみません、本当にどうしても必要なんで早く届けて欲しいのですが…アチッ!」

ど、どうした?

「は、はい、わかりました…。

すぐに届けます、あの自宅はどちらの方で…?」

「E駅の1番出口を出て右の方に歩くとコンビニがあります。

そのコンビニのうえにマンションがありますので、そこの501号室に」

「はい、わかりました。

すぐに向かいます」

「お願いします」

私たちはそう言うと、電話を切った。